2012年 06月 19日
追いかけて
台風が近づく前の、静かな雨の朝。
雲が下方まで降りていて、深くなりつつある木々の緑をやんわり包む。

いつもの通勤路の交差点で信号待ち。
光る球体が赤から青になった瞬間、私は前の車に続く。

ふと、左の目の端に、勢いがついた動体をキャッチする。
小麦色に焼けた小学生の男の子が、
私の車の進行方向と同じくして、歩道を疾走している。
雨の中、傘も差さずに、何事かと思う。

その男の子が、私の左折の先にある横断歩道を渡るかもしれないと、
アクセルを緩めて、注意を払う。
すると、突然、横断歩道の手前で、その男の子はしゃがみこんだ。

その足元には、あどけない顔つきの、
キャラメル色したミニチュアダックスフント。
細い男の子の腕によって、ガッツリ背中を取り押さえられている。
どうやら束の間の逃亡劇だったようだ。

今日の一番の笑顔は、子犬を捕まえた瞬間の男の子のモノ。
嬉しさと安堵の混じった、夏色の笑顔。

車の窓を一枚隔てて、
「ヨカッタね~。」と、私も自ずと声が出る。



「そんな目で見ないで。」
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文章の子犬とは関係ありません。
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by potori_ms | 2012-06-19 21:59 | 日々 | Trackback | Comments(0)
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